小さい急須がお茶を飲むのに適している?
こんにちわ店長です。
今日は朝は涼しかったのですが、午後になるといつもの暑さが戻ってきました。
今日は美浜で「鯛まつり」、碧南では花火が打ち上げられていました。
碧南の打ち上げ花火は大きな玉が打ちあがるたびに家が震えていましたが・・・^^;
話は変わりまして、以前、常滑焼の急須作家の先生(以下先生)と話をしているときに
私が「急須は大小さまざまな大きさがありますけど、ベストな大きさってどれぐらいの
大きさなんでしょうか?」と尋ねました。
先生「お茶の葉によってベストな大きさのポットや急須は違うよね」
私 「はい」
先生「たとえば、香りと色を楽しむ紅茶やウーロン茶はたっぷりとお湯を入れてお茶の葉をジャンピングさせたい
から大きめのポットが必要だから2合ぐらいの大きさを作るんだよね」
私 「なるほど」
先生「で、これは自分の勝手な考えかもしれないけど・・・日本茶の急須は小さいほうがいいと考えているんだよ」
私 「小さいほうが良いんですか?」
先生「ほんとにこれは自分自身の考えだけど、もともと急須は小さくて男の書斎の机の横にあってのどが渇いたときに
お茶っ葉を入れて小さい湯呑みでクッと飲むという男の茶道具だったわけ」
私 「チョイ悪オヤジの趣味だったんですね」
先生「まあ粋な趣味って言うのが合っているかな。その時使うお茶の葉は滅茶苦茶高くて大事にお茶の葉を使うことが多かった」
私 「え、そうなんですか?」
先生「江戸時代なんてお茶を飲む家なんてかなりお金を持っている家っていう証拠だったからね。江戸時代の一般庶民はお湯を
飲んでいたのは文献を読むと分かるよ。落語だって古典落語に庶民の間の飲み物でお茶は出てこないはずだよ」
私 「今度読んでみます」
先生「玉露なんて今でも高いでしょ。煎茶だって上級煎茶になるとキリがなくなるし、だから急須は小さいものを選んで
お茶の葉の量はスプーン1杯程度、お湯の量はお茶の葉がふやける程度を淹れる。甘さと旨味を含んだエキスを
小さな湯呑みで飲むというのが本当のお茶の飲み方だと思うんだよね」
私 「じゃ、なんで大きい急須なんて出てきたんですか?」
先生「お茶屋さんがお茶を家庭に広めるための作戦だったとおもうよ。江戸時代の後期から明治時代に一般家庭の食卓で
お茶を飲む習慣が始まるからあの辺りから急須が大きくなってきたのかな。ちょうどそのころ勝海舟が徳川宗家の
財政を立て直すために静岡でお茶栽培を始めて東京の御茶屋に押し売りしていた時と一致するし。話が脱線したね」
私 「先生は原点回帰を目指しているんですか?」
先生「原点回帰とは言わないけど、いいお茶の甘味と旨味を味合うには小さい急須がベストなんじゃないかと思うから
作っているんだけどね」
私「なるほど」
という感じで、先生の家で先生作のミニ急須で淹れたお茶を飲みながらこんな話をしました。
確かにミニ急須にスプーン1杯程度のお茶の葉を入れ、お湯の量はお茶の葉がふやける程度で葉が開くのを待つ、出来た
お茶は甘さと旨味を含んだお茶が出来、それをゆっくりと舌で転がしながら味わう。
この飲み方はかなり贅沢な飲み方かもしれませんが、家でも手軽に出来る飲み方です。
当店ではリーズナブルなミニ急須から【一点物】のミニ急須まで取り揃えています。
【一点物】常滑焼作家村田益規【益規】のミニ急須常滑焼 益規 梨皮横手算盤玉型ミニ急須
ご家庭にある煎茶でも簡単に出来ます。一度皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか?