徒歩男、帰りはどうする?

地元紙の中日スポーツに記事が載っていました。
“徒歩男”こと福士広多さん(21)=筑波大3年=が19日、茨城県からの約500キロに及ぶ道のりを15日間かけて踏破し、愛・地球博長久手会場に涙のゴールインした。
 正午、北ゲートをくぐった瞬間に福士さんは感極まった。「うれしい」と声を絞り出すのがやっと。ネットで福士さんを応援してきた「徒歩男の会」のメンバーら約50人の出迎えを受け、「おめでとう」の声援が飛ぶと涙腺はさらに緩んだ。
 きっかけは、家庭教師の教え子(中3)が口にした「頑張ったって仕方がない。ラクな方に進んでいけばいい」のひと言。福士さんは、「それは違う。何かを乗り越えるからこそ、楽しい思いができる。それを教えたかった」。口先ではなく行動で。そして見事、やり遂げた。
 ひとしきり涙をぬぐった後、福士さんは晴れ晴れとした表情を浮かべた。「帰って話したら、自分の言いたかったことが分かってくれるはず。あとは家庭教師として結果を出すだけ」。今どきの青年に珍しい熱血漢だ。
 6日に出発し、道中14泊のうち5泊は野宿で、30−40カ所は蚊に刺された。あとはビジネスホテル、マンガ喫茶、ファミレスに泊まった。疲労はたまったが、ギブアップは一度も考えなかった。「こんなに苦しいんだから、ゴールしたらどんなにうれしいんだろう」。猛暑で真っ黒に日焼けしながら、前を向き続けた。
 見学したいパビリオンは「JR東海超電導リニア館」だという。「一番遅い移動手段でやって来たので、一番速い移動手段を体験したくて」と笑わせた。21日は万博を楽しみ、ファンからプレゼントされた新幹線チケットで、夕方、帰路に就くという。

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