【北條陶房】清水源二先生 実演

こんにちわ店長です。

25日の日記で吉川雪堂先生の朱泥急須を紹介したあと、かなりの方が検索で
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当店を訪れていました。同じ形の急須は現在当店では販売していませんが、

業者さんと交渉してみようと思います。

実は今日は私の誕生日でした。

ウィキペディアで同じ誕生日の人を検索してみました。主だった人は・・・

ヴィヘルム・レントゲン(物理学者)

清浦奎吾(第23代内閣総理大臣

佐藤栄作(第61−63代内閣総理大臣

遠藤周作(作家)

金子信雄(俳優)

高峰秀子(女優 カルメン故郷に帰る

若林正人(元東京銀行ウィーン事務所所長 タレント)

小林克也(DJ 俳優)

榊原英資(元大蔵官僚 ミスター円

宮本信子(女優 マルサの女

窪田等(俳優・声優)

高中正義(ミュージシャン)

松本孝弘(ギタリスト B’z)

クエンティン・タランティーノ(映画監督)

マライア・キャリー(歌手)

デビット・クルサード(F1レーサー)

青木さやか(タレント)

悠木碧(声優)

で、全く同じ誕生日なのが

石井亮次(中部日本放送アナウンサー)

だったりします。なんか有名な人が多いです。

前置きが長くなりましたが、中断していた【北條陶房】清水源二先生にお伺いしたときの
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お話の続きです。

最初にお断りをしておきますが、清水先生と呼ばずに源二先生と呼んでいるのは弟さんも

急須製作者で同じ苗字なので源二先生、源三先生とお呼びしています。

お話を伺った後、実際に急須を作るところを見せていただきました。

源二先生のロクロ挽きは「中と挽き」と言われており、適当な量の粘土をロクロの上に載せ

急須のパーツを作っていくやり方です。もう一つの方法は「小玉挽き」という方法で

手のひらサイズぐらいに小さくした粘土をロクロにして形にしていくという方法です。

おそらく「中と挽き」で常滑一は源二先生、「小玉挽き」なら雪堂先生になるのではないでしょうか。

現在常滑焼の急須職人は50人いますが、ロクロ挽きの方法はほぼ半分に分かれるそうです。

ロクロの挽き方は入門した先生で決まるそうですが、源二先生もほぼ半分に分かれることを

不思議がっていました。

一塊の土をロクロの上に載せ、最初に作っていただいたのは「胴」の部分、本体の部分です。
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源二先生の手で土が見る見るうちに形を変えていきます。

蓋が載る部分を幅を計る「トンボ」で幅を計って完成。

次に「取っ手」
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その次は「口」
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「口」の部分は一番神経を使う場所。「ここが一番神経を使うんです」といいながら熟練の技で

口を作ってきます。

最後は「蓋」少し胴の棚の部分より大きめに作ります。
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理由は「胴に口と取っ手をつけると付けた方向に胴が引っ張られて歪むんですよね。そのとき胴より

更に乾かした蓋を上に載せると蓋が胴の水分を吸い込んで、胴を噛む状態になります。その状態で

窯に入れて焼くと真円の蓋と棚の部分ができます。そして今度はアルミナを付けて焼き上げます」

目に見えない源二先生の苦労をお聞きすることが出来ました。

「口も胴に取り付けると整形したする際に回転した逆方向に回転しようとするため、真っ直ぐに

取り付けると反ってしまうのでわざと角度付けて取り付け、口切りをして焼きあがった完成品が

真っ直ぐになるようにしてます」とにこやかに答えていただきましたが本当に目に見えないところの

計算には頭が下がります。

最後にどれだけ胴の壁が薄いか見せていただきました。
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焼きあがると水分が蒸発するので更に壁の厚さは薄くなります。胴の底の部分は強度を持たせるため

若干厚くなっていますが、他の部分は薄く挽かれています。この薄さには素直に驚きました。

源二先生の考える「急須」とは

1.誰にでも持ちやすい。

2.見た目よりも軽い

3.お茶を注いだ時に垂れない事、お湯の切れが良い事

以上の3点が「急須」を作るうえで大切なことだと仰っていました。実際、常滑の急須職人が製作する

急須は軽く、持つと吸い付くような密着感が有り、お茶を注いだ時に垂れずお湯の切れが良い急須ばかりです。

確かに伝統工芸士の作る急須は「用」と「美」を兼ね備え、値段もそれなりの価格が付いてしまいます。

ですが、一度手にしていただき使っていただくことで常滑焼の急須の価値をご理解していただけると思います。

【受注発注品】常滑焼作家 清水源二【北條陶房】の急須常滑焼名工 北條 18号焼〆藻えくぼ急須 細(ささめ)