「楽天」が抱えている10個の問題点、店舗側からの意見

GIGAZINEさんが一連の記事に関して「楽天」が抱えている10個の問題点まとめをされていたので
店舗側からの意見を述べさせていただきます。

■問題点その1「楽天市場でしか使っていないメールアドレスに実名入りのスパムメールが届く」

この件については1本目の記事「楽天市場から個人情報がスパム業者に流出か、実名の記載された迷惑メールが
楽天でしか使っていないメールアドレスに届き始める」に詳細に書いてありますので、一度上から下まできっちり
読んでもらうしかありません。
上記記事中で実際にGIGAZINE読者に対して「楽天市場でしか使っていないメールアドレスに実名入りのスパムメール
が届く」経験をしている場合、情報提供してもらうようにお願いした結果、かなり多くの実例を集めることに成功し
ました。情報提供していただいた方々一人一人にお礼メールをするのが本来の対応ではありますが、あまりにも多い
ため、この場でお礼を申し上げます。
情報提供していただいた際、利用した店舗名も記載してもらったため、スパム業者にメールアドレスのリストを流出
させる流出元となっているショップが特定できるのではないか、と思ったのですが完全に絞り込むところにまではまだ
至っていません。ただ、「この店舗しか使っていないので99.9%この店舗だ」というケースもあることがわかっていま
すので、情報流出元を特定できるかもしれません。

これについては個人情報を守るべき店舗が守っていないケースなので楽天側は情報流出元を特定しなければならない
放置しておいてはモール管理者としての資格を問われるでしょう。
また実名入りのスパムメールが送信される原因として27日に述べたとおり「楽天以外のサイトでユーザーが個人情報を
登録し、その情報を得た店舗が楽天RMSに登録する」という形で登録すると情報が漏れるという可能性があります。
これは楽天側ではなく店舗側のサーバーなどのデータエリアにあるわけで、そこにある個人情報については細心の注意を
払わないといけない。

■問題点その2「楽天は店舗側に顧客のメールアドレス・クレジットカード番号は見せないと発表していた」
GIGAZINE側は楽天の対策は不完全であり、抜け道が3つ残されました。
楽天市場の店舗側は、自分の店舗に注文してきた顧客のメールアドレスを見る方法として

・方法その1:注文確認メールに書かれている顧客のメールアドレスを見る
・方法その2:お客様情報を検索した画面からメールアドレスを見る
・方法その3:「CSVデータダウンロードサービス」を利用して顧客のメールアドレスを見る

これについては方法その1・2についてはGIGAZINE側の説明どおりです。見ることが出来ます。
方法その3については顧客メールアドレスは見ることは出来ません。

■問題点その3「楽天市場の店舗は注文確認メールに書かれている顧客のメールアドレスを見ることができる」

楽天は「メールアドレスが店舗側では見られなくなります」と書いておきながら、実際には今もなお、
メールアドレスを店舗側で見られるようにしていたというのは問題ではないでしょうか?

この意見はGIGAZINE側に同意します。
購入者を保護するために効果がある形は、注文確認メールを購入者、店舗側に送信するときは双方をBCCにして分からなく
するという形を採るべきだと思いますが。

■問題点その4「楽天市場の店舗はお客様情報を検索した画面から顧客のメールアドレスを見ることができる」

通常出荷処理をする時の注文情報のページではメールアドレスやクレジットカード情報は伏せられています。
しかし、普通にお客様情報を検索した画面ではメールアドレスが見えています。

これも事実です。メールアドレスを見ることが出来ます。
ですが、私が関係している店舗は見ているが見ていないことにしています。
見て悪用したらその後の影響が大きすぎるからです。

■問題点その5「楽天市場の店舗は審査に通ればCSVデータダウンロードサービスを利用して顧客のメールアドレスを見ることができる」

CSVデータダウンロードサービスではメールアドレスは非表示
・ただし、楽天の審査を経た上で基準を満たしている店舗の場合はメールアドレスが表示される

CSVデータダウンロードサービスではメールアドレスは非表示。これは事実です。本当に見れません。
「ただし、楽天の審査を経た上で基準を満たしている店舗の場合はメールアドレスが表示される」に関しては
私が関係している店舗ではまだやったことがないので明確な回答を出すことは出来ませんが、詳細な審査基準
はありますし、楽天市場のどの店舗が審査に通っているのかは守秘義務があるので明確な説明がないと明かす
ことは出来ないでしょう。

■問題点その6「CSVデータダウンロードサービスは有料だが、その説明を顧客は受けていない」
これは楽天市場側は説明しなければならないでしょうね。
そうしなければ顧客の信頼に答えられないし、モールの店舗側にも信用が得られないでしょう。
はっきり言いますが、モールの店舗側も顧客が同意しているものだと思って情報を得ているの
ですから。

■問題点その7「各店舗が個人情報保護法を守ることを楽天は保証せず、メールアドレスが各店舗から流出する可能性を放置している」
これは各店舗個々の責任ですが、楽天市場に加入する際に私が関わっている店舗は楽天関連会社の「楽天インシュアランス」と
万が一に備え「個人情報漏洩保険」に加入しており、その際に個人情報を保護する規定が作成されていなければ、保険加入に
応じられないと言われました。私が関わる店舗では個人情報を店員が故意に漏らした場合、懲戒処分を取ると明文化しています。
但し、これは当店の事例であって、個人情報保護をうたっていても漏らしている店舗はあるはずです。
全てを管理している「アマゾン」と違って「モール型」を採用している楽天市場などインターネットショッピングモールサイトは
店舗側に対して個人情報保護監視能力の向上をお願いしたいです。
今まで、健全に運営している店舗までも悪者に見られてしまい、下手をすれば店舗が倒産してしまう可能性もあります。

■問題点その8「楽天市場の店舗の一部に顧客のクレジットカード番号が渡っている」

RMSという楽天市場の店舗向けシステム内にある「R-Backoffice 受注管理」というものを見てみましょう。
ここではちゃんとクレジットカード番号は非表示になっており、店舗側にクレジットカード情報は渡っていません。

これは事実です。本当に店舗側からは見ることは出来ません。
ただ、例外として顧客の注文が多い店については流通を円滑化するために渡しているという話は事実としてあります。

どんなに大きい店舗であれ、例外扱いを禁止するというのが妥当な線でしょう。ただ、その恩恵を受けていた大型店が
撤退する可能性は無きにしもあらずですが、逆に綱紀粛正という点では良いのかもしれません。
当然、楽天側の収益は減りますが、「おごる平家久しからず……」ということで綱紀粛正をすべきだと思います。

■問題点その9「楽天は店舗側に顧客のメールアドレス・クレジットカード番号は見せないと発表していたが、実際にはそうではなく、矛盾している」
現段階では矛盾しまくっているのは事実です。
正直言いますと。RMSという機能はまだ未完成の部分が多く、実際店舗運営者側からも楽天側に対して、システムの改善などの要求が多々あります。
システム上でカオスになっているのが今の楽天市場の現状です。しかし要求をプログラムにしてシステムを改善しているのは三木谷社長ではなく
命令を受けたシステムエンジニアの方々なので「根本的な矛盾」を解消するには時間がかかるでしょう。
それが完成するまでは店舗側が「善意」をもって運営しなければならないと私は思います。

■問題点その10「これらの事実のどこが『全くの事実誤認』なのかを説明していない」
これは大企業になってしまったが故の回答だと思います。いくらECで成長したベンチャー企業とはいえ現段階まで成長してしまうと
どこかの部分が正常に機能しなくなるということがあります。
また私も以前、超有名大企業に勤めていた経験からし
「こういう事例は大企業ほど闇の中へ隠したがります」
GIGAZINEさんも言っている様に誤解が誤解を生み出さないようにここはきっちりと話をしたほうがいいと思います。

最後になりますが、GIGAZINEさんに「スパムメールが送りつけられた」として情報提供をされた方、いくら専用アドレスとはいえ
個人情報を簡単にGIGAZINEさんに渡していいのでしょうか? 提供した方々の揚げ足を取るかもしれませんが、場合によっては
GIGAZINEさんがそのメールアドレスを楽天に公表する際、「楽天でしか使ってません」とはいえなくなってしまいます。
だってGIGAZINE側に提供していますから。メディアを信用しても良いですが信用しきってもいいことはありません。
死語になっているかもしれませんが、「あくまでも自己責任で」情報提供はしたほうがいいと思います。

ああ、メディアっていうギリシャの魔女いたな・・・。

本当に最後に楽天に店舗を出店している者として

最後まで楽天側もGIGAZINE側も納得がいくまで話してください。

そこで出た答えは無駄なものではないと思います。

参考リンク

  • 楽天を疑うけどGIGAZINEは信用する人たち‐ヌメタロウのメモ
  • 「楽天 vs GIGAZINE」の敗者は「はてなー」‐kentultra1の日記
  • 「楽天」が抱えている10個の問題点まとめ
  • 楽天、利用者のメールアドレスを含む個人情報を「1件10円」でダウンロード販売していることが判明
  • 楽天市場から個人情報がスパム業者に流出か、実名の記載された迷惑メールが楽天でしか使っていないメールアドレスに届き始める
  • 楽天問題のまとめと僕の楽天利用状況‐なぷさく
  • 楽天、「個人情報をダウンロード販売」報道を否定 - こんなことあるんだよね