素材を生かす。【北條陶苑】清水源二
こんにちわ店長です。
首都圏ではスギ花粉を放射能のチリと間違えてパニックになったそうですが、
そんな事を言ったら私の自宅兼職場の周りに止まっている車はスギ花粉とほこりで
フロント硝子が黄色くなってます。
確かに精製する前のウランはイエローケーキと言われているのでこの状況下では
パニックになるのは仕方がないと思います。
昨日の続きです。
【北條陶房】の清水源二先生がなぜ朱泥の急須を作るのを控えているか、先生の
ポリシーは「自然の素材を生かして焼き物を作る」が一つの答えともいえます。
なぜなら数十年前の常滑焼は田んぼの土を掘り起こし、それを原料として生産して
いました。それで常滑は成功していました。しかし年数が経つにつれてその土が
取れなくなってきました。源二先生の父親である先代北條先生も鉄分が含まれた
“鉄板”と呼ばれる粘土層を割って粘土に混ぜて朱泥の色を出していたそうです。
現在の常滑焼に使われている朱泥土は紅柄を入れて色を出しています。
それを使うと自分のポリシーを曲げてしまう。「自然のもので作りたい」という
考えで素材を生かすことが出来る“焼〆”の手法を始めたとの事でした。
先代が残した朱泥の土は今も大切に保管しているそうです。
「朱泥も資源。土を資源と考え、常滑の土を文化として作陶をしたい」
伝統を守り、革新し、更に美術工芸品として昇華させようとする先生の一面を見ることが
出来ました。