秋峰陶房

こんにちわ店長です。

今日は午前中に【秋峰陶房】の稲葉秋二さんのお宅にお伺いしました。
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今年の1月に吹上で行われたテーブルウェアショーでお会いしたとき

「お伺いしたい」とお願いしたところ快諾していただいたので、再度

電話で連絡してお伺いしました。

陶房兼ご自宅は常滑の市街地から10分ほど南に下った海沿いにあります。

そばには常滑で有名な造り酒屋があり蔵開放のときはたくさんの見学者が

来るそうです。

市街地とは違い道路沿いでも静かなところでした。

お話をしているときに「静かなところですね」といったら、先生からは

「大型トラックが通り過ぎると振動があってロクロを回しているときはドキッとする」と

言われていました。

工房の中は整然としていて仕事に集中できる環境でした。
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「まあ、どこにでもある常滑焼の工房だね」とちょっと照れながら笑われていました。

ちなみに奥にある電動ロクロは40年前に私の父親の知人が作ったくれたものだそうです。

お茶をいただきながら秋峰先生の作品を見せていただきながらお話を伺いました。

秋峰先生の作品は鏨(タガネ)を回転によって震わせて文様を描く技法と布目という

技法を使い急須に模様を出し、焼き上げた後、磨いて模様を浮き上がらせる作品が多く、

シンプルでいてかつモダンな作品を多く作られています。

お話を伺っているといつも良いものを作ろう、また常に展覧会などに自ら出向いて使われている

方のお話を伺ってそれを作品のデザインに生かしているとの事です。

「いつも試行錯誤の連続」といい、新作の急須を見せていただきました。
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注ぎ口と取っ手を除いてほぼ全面に布目模様が施されていました。製作途中でしたが
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とても美しい急須でした。

乾燥段階では朱泥色ですが、一度酸化焼成した朱泥急須を もう一度いぶし還元焼成

した後2回焼成することにより黒色に窯変し凸部を磨くことにより布目模様が浮き出る

黒泥布目急須になります。

ブリキの箱の中には他の製作中の急須が入っていました。
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常滑焼の手造り急須は、乾燥させる工程が大きな比重を占めます。

適度な湿気を持った生地に彫刻、加飾、加工を施します。

又手口をつけて成型します。そのために写真のような密封性のあるブリキ箱に入れてその上に

ビニールを被せて乾燥をおさえて保存するとのことです。

一つ一つ丁寧に作られている証拠ともいえます。

“急須という商品は「美術品」と「大量生産の日用雑貨品」の中間にある商品だ”と何方かの

ブログに書かれていたことを思い出しました。

これらの商品のクォリティの高い商品を今後もネット販売やブログを通じて宣伝できればと

考えています。

最後に“本物”に触れ合う機会が自分が住んでいる地区にあることを感謝しています。

ネットを通じて商品のよさを上手く伝えることは難しいかもしれません。

ですが、可能な限り物が生まれる環境や作者をお伝え出来ればと考えています。

帰り際に工房の奥にあるミルで造った朱泥を見せていただきました。
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ミルで自分にあった朱泥にブレンドして甕で寝かせてありました。
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【受注注文品】【長三郎ブランド】稲葉秋峰常滑焼 秋峰 16号 黒泥布目ポット