高岡漆器 その2 武蔵川工房(青貝塗り)

こんにちわ。店長です。

高岡駅で何かとお世話になっている高岡漆器の製造販売をされている

天野漆器の常務である天野真一さんが改札口で待っていてくれました。

天野さんの車に乗って高岡市内を移動します。

高岡駅に降りて感じたことは乾燥した暑さ、名古屋のジメッとした暑さとは対象的で体の水分が奪われていく感じがします。
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ちなみにこの日、東海地方は梅雨明けをして、次の日に北陸地方が梅雨明けしました。

到着した時間がお昼近くだったので、天野さんがいつも行くお食事処へ連れて行っていただき、海鮮丼をいただきました。

写真がなくて申し訳ございませんが、きときと(新鮮な)富山湾の幸をいただきました。

しかし・・・1000円であのボリュームですか・・・。

食事を済ませて、まずは螺鈿の工房へお伺いしました。
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お伺いした工房は武蔵川工房、明治時代から続く老舗です。案内していただいたのは

4代目の剛嗣さん。写真中央で作業されているのが3代目の武蔵川義則さんです。

まず見せていただいたのが原料となる青貝、主に九州地方で取れる大型のアワビをつかうとのこと
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切り出して使用できる真珠層の部分は手前のなだらかな部分のみ。その部分をグラインダーなどを

使ってさらに薄くしていきます。
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これが薄くして螺鈿の元として使える状態になったものです。薄さは何と0.09ミリ!

手に取って見てみると反対側が透けて見えます。

ものによっては削り取った側に裏塗りを施し色の変化を出すようにします。
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それを型を使ってくり貫きます。
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型はさまざまで写真のものは釘の頭に型を貼りつけてあるものです。
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図柄の輪郭やトレーシングペーパーで中塗り状態の面に置目(おきめ)という作業を行い輪郭を書きます。
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輪郭に沿って、型から切り出した青貝をニカワや漆を使って面に貼り付けていきます。
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貼り付けられた青貝は乾燥させて次の工程に移りますが、ここから先は漆塗りの工房が担当します。

ちなみに写真の物は政府(宮内庁)からの依頼品で叙勲用の小箱だそうです(^_^;)

簡単に青貝塗(螺鈿)の工程をディスプレイにすると・・・
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12工程に及ぶのですが、これでも基本を形にしたものだそうで本当はもっと細かな作業が入ってきます。

漆の色艶と貝特有の真珠色が醸し出す独特な味わいが楽しめる「青貝塗」ですが、職人さん達による妥協を許さない作業に

より、その魅力的な工芸品が出来上がるのです。

最後にこの作業風景を見ていただいて、高岡漆器の工芸品の価格が適正なのか適正でないのかを考えてはいただけない

でしょうか。

どのように考えるかはこのブログを読んでいただいた皆様にお任せしますが、日本の工芸品のあり方を少しだけでも考えて

いただけるとこの商品を扱っている私としてもありがたいです。

ちなみに今回お伺いした武蔵川工房さんは螺鈿・蒔絵の体験工房もやっています。

体験料と材料費はかかりますが実際に螺鈿貼りを体験することができますのでご興味がある方は

高岡に行った際、体験してみるのはいかがでしょうか?
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この写真のペンダントが体験工房で観光客の皆さんが作られた力作です。

武蔵川工房 螺鈿・蒔絵 体験工房詳細

開催日時:木曜日 19:00〜21:00 
       土曜日  9:00〜12:00

連絡先:武蔵川工房 電話:0766-26-0792

住所:富山県高岡市地子木町 1-23


青貝塗(螺鈿)で桜が施された小箱伝統工芸品 高岡漆器 長角小箱+桜(貝入)